生きたいと泣いたサツキ。
 君はどうしたら、笑ってくれる?

 俺は君の笑顔がすきだ。

 だから、逃げよう。
 (にが)くて(くる)しい、未来から。

 神様なんかに決めさせない。
 美しいまま、尊いまま、一緒に逃げよう。










 右手をそっと、サツキの指に絡めた。瑞々しくて、柔らかくて、あたたかかった。左手を伸ばして、サツキにつながっているコードを抜いた。




 君とこの世を繋いでいた線が切れて、

















 さようなら、だいすきなひと。

 またすぐに、逢おう。

















 ——……君の心音がプツンと消えた。