「それも全部、圭太君が朝倉さんを保健師に運んだせいよ!あの日から、圭太君私よりも朝倉さんばっかり見てて……」

それから暫くして突然瀬川さんは血相を変えて、涙を浮かべながら憎悪の目をこちらに向けてきた。

「だから、私はあなたのことが大嫌い!私はあんなに頑張って圭太君に振り向いてもらったのに、何で朝倉さんなの!?それなのに悠介にまで近付いて、もう本当に目障りなのよ!!」

そして、捲し立てるように瀬川さんは私を罵倒すると、唇を噛み締めながら浮かべていた涙をポロポロと溢す。

私はこんなに人から嫌われたことがなかったので、ショックのあまり暫く体が動かない。

あの時は向こうから一緒に学校へ行こうと誘ってきたのに、まさかこんなに憎まれていたなんて思いもしなかった。

それに、一杉君がそこまで私に気を向けていたなんて……。

確かに、あれからよく話しかけられるようになったけど、向こうは女の子慣れしてそうだし、そもそも一杉君には興味がないから深くは考えなかったけど、その裏ではそんな事になっていたとは。


……。


………でも、それが何だと言うのだろう。


そんなのは、不可抗力であって、私が相馬君とこういう風になったのは全部瀬川さんのせいであって。

確かに、何も知らない瀬川さんからすれば、面白くない話だろうし、気持ちもわからなくはない。

でも、そんな相馬君の気持ちを踏みにじって、一杉君にあんなにも狂って勝手に嫉妬されて。

そんな中で、私は相馬君の苦しむ姿を見ながら、必死になって瀬川さんのために探し物をしていたというのに。