病院を出てから、暫く何も会話がないまま私達は学校へと向かう。
ここからだと徒歩十五分くらいはかかるが、丁度いい時間帯のバスがなかったので私達はそのまま歩いて行くとにした。
瀬川さんは普段学校で見せるような愛想はなく、ただ無表情のまま黙って私の前を歩く。
「……あ、あの。瀬川さん、ごめんね」
何だかこの気まずい空気のまま十五分近く歩き続けるのも耐え難い為、一先ず心の奥底に引っ掛かっていた思いを瀬川さんに伝えてみた。
その言葉に意表をつかれたのか。瀬川さんは少し驚いたような目でこちらへと振り返る。
「あの時、心配じゃないのかって無神経な事言って。瀬川さんこうしてこまめに来てくれてるのに……」
瀬川さんは好きになれないけど、あれからずっと自分が言った事を反省し続けていたので、ここはいい機会だと、私は少し緊張気味になりながら瀬川さんの目を見る。
「いいよ、別に。私も素っ気ない態度取っちゃったし。……でも、驚いた。朝倉さんっていつの間に悠介とそんな仲になってたんだね」
すると、瀬川さんの明らかに誤解している発言に、私は思わず変な声をあげてしまった。
「ち、違うよ!付き合ってるとかそんなんじゃないから!相馬君とは……ただの友達かな?」
慌てて訂正するも、今の私達の関係をどう説明すればいいのか分からず、短い間で出した答えがそれだった。
相馬君とは数日間の付き合いだけど、果たして友達と呼んでいいものだろうか。
まだお互いのことを良く知らないし、今の相馬君の姿を見れるのは私しか居ないから一緒にいるけど、これがもし目を覚ましたら、これからも私と接してくれるのかな?
クラスも離れてるし、相馬君は部活をしてないし、例え登校出来るようになったとしても話す機会なんて殆どない気がする……。
そう思うと、再び胸の奥が締め付けられるような想いに、私は自分の足元に視線を落とす。
「なんだ、付き合っちゃえばいいのに。悠介今まで彼女作ったことないし、朝倉さん結構美人だから告白すればすぐオッケー貰えそう」
それなのに、そんな私の気持ちを軽くあしらわれたような、それでいて相馬君の気持ちを踏み躙るような瀬川さんの言葉に、私は何かがプツリと切れた。
ここからだと徒歩十五分くらいはかかるが、丁度いい時間帯のバスがなかったので私達はそのまま歩いて行くとにした。
瀬川さんは普段学校で見せるような愛想はなく、ただ無表情のまま黙って私の前を歩く。
「……あ、あの。瀬川さん、ごめんね」
何だかこの気まずい空気のまま十五分近く歩き続けるのも耐え難い為、一先ず心の奥底に引っ掛かっていた思いを瀬川さんに伝えてみた。
その言葉に意表をつかれたのか。瀬川さんは少し驚いたような目でこちらへと振り返る。
「あの時、心配じゃないのかって無神経な事言って。瀬川さんこうしてこまめに来てくれてるのに……」
瀬川さんは好きになれないけど、あれからずっと自分が言った事を反省し続けていたので、ここはいい機会だと、私は少し緊張気味になりながら瀬川さんの目を見る。
「いいよ、別に。私も素っ気ない態度取っちゃったし。……でも、驚いた。朝倉さんっていつの間に悠介とそんな仲になってたんだね」
すると、瀬川さんの明らかに誤解している発言に、私は思わず変な声をあげてしまった。
「ち、違うよ!付き合ってるとかそんなんじゃないから!相馬君とは……ただの友達かな?」
慌てて訂正するも、今の私達の関係をどう説明すればいいのか分からず、短い間で出した答えがそれだった。
相馬君とは数日間の付き合いだけど、果たして友達と呼んでいいものだろうか。
まだお互いのことを良く知らないし、今の相馬君の姿を見れるのは私しか居ないから一緒にいるけど、これがもし目を覚ましたら、これからも私と接してくれるのかな?
クラスも離れてるし、相馬君は部活をしてないし、例え登校出来るようになったとしても話す機会なんて殆どない気がする……。
そう思うと、再び胸の奥が締め付けられるような想いに、私は自分の足元に視線を落とす。
「なんだ、付き合っちゃえばいいのに。悠介今まで彼女作ったことないし、朝倉さん結構美人だから告白すればすぐオッケー貰えそう」
それなのに、そんな私の気持ちを軽くあしらわれたような、それでいて相馬君の気持ちを踏み躙るような瀬川さんの言葉に、私は何かがプツリと切れた。