__次の日。


「……さて、どうしたものかな……」


昼下がりの祝日。
私は一人唸りながら、今現在路頭に迷っている。

ここはとある大学病院の受付前。
中途半端な時間帯ということもあり、閑散としている病院内で、私はまるで不審者の如く広いロビーを無駄に行ったり来たりしていた。

時折、携帯の画面を開きながら、この途方も無い時間をどうやり過ごせばいいのか思考を巡らすも、何も打開策は浮かんでこない。

この上の階には相馬君が眠っているというのに、規則という縛りのせいで足止めをくらい、ただ溜息しか出てこなかった。




__話は遡る事、数十分前。


昨日の一件から本気で相馬君の容態が心配になった私は、色々と悩んだ結果、お見舞いに行く事を決めた。

らしくない行動だと思いながらも、本来の彼の姿をこの目でちゃんと確認しなくてはいけない気がして、居ても立っても居られなかった。

それに、自分の状態を知る事が出来ない彼に現状を伝えてあげられるのは、私しか出来ない。

だから、少しでも彼の力になれる事があるのなら。
少しでも彼の不安を緩和させる事が出来るのなら、私は何でもしようと思った。

そんな気持ちを抱いて受付の人に面会の申し出をしたところ、相馬君は現在集中治療室に入っているため、家族以外は立ち入り禁止だと門前払いをくらってしまい、今に至る。