「それよりも、凄く言いづらいんだけど、瀬川さん既にハピネスベアー持ってるって言ってたよ。しかも、一杉君とお揃いの。プレゼントするなら、もっと違うのにした方がいいんじゃない?」

そんな彼の態度が何だか癪に触り、私は不貞腐れながら午前中に聞いた瀬川さんの話を相馬君に打ち明ける。

「そうなんだ。でも、僕こんなんだから用意も何も出来ないし」

それなのに、相馬君は何一つ表情を変えずにあっけらかんとした様子で、しかも最もな意見を言ってのけてくる。

力んでいた私は自分と彼との温度差を感じ、がくっと肩が下がった。

「そうなんだって、人に頼んでおいて随分と適当じゃない!?そもそも、何でそこまで瀬川さんに固執するの!?はっきり言って、彼女相馬君の事なんてまるで眼中になかったよ!事故に遭ったていうのに興味なさそうだったし。そんな人にそこまでする必要ある!?余計なお世話だろうけど、もうちょっと考え直した方がいいんじゃないの!?」

しまいには、溜め込んでいた不満と怒りが爆発しだし、私は捲したてるようにほぼ息継ぎなしで思いの丈をぶつけた。

少し酸欠状態に陥り、小刻みに呼吸をする。

それから、次第に頭が冷静になり始め、私は先程の自分の言動があまりにも非道であったという事に今更気付いた。