これは間違いなく瀬川さんの警告だ。

一杉君にこれ以上関わるなという。

確かに、事故とはいえ彼氏が他の女の子をお姫様抱っこで保健室に運んだ次の日には、無くし物を探すと積極的に申し出ている所を目撃したら、彼女としては面白くない。

嫉妬する気持ちも分からなくはないけど……。


……それって、私のせいじゃなくないっ!?


思わず喉まで出かかった言葉を、何とかすんでのところで飲み込んだ。


そもそも、関わってくるのは全て向こうからだし、物申す相手は私じゃなくて一杉君に言って欲しい。

こっちは、何で私なのか終始混乱しているというのに、瀬川さんの理不尽な嫉妬まで叩き付けられては、たまったもんじゃない!

私は段々と頭痛がしてきて、こめかみを抑えたくなる衝動をどうにか堪えた。


なんで、こんな事になってしまったのだろうか……。

おそらく、これも全ては相馬君の身勝手な要求を受け入れてしまったせいだ。

人の恋路なんて関わるつもりなんて全くないのに、何故か知らず知らずに泥沼へと引きずり込まれているような気がする。

やっぱり、この話はなかった事にするべきかな。

……なんて、何度目かの後悔が再び押し寄せてきたが、ここまで来てしまっては、もはや後戻りするのは不可能な気がしてきた。