準備運動が終わると、今日の授業は陸上競技のため、私達は倉庫からハードルやカラーコーンやらを運び出した。
その作業中、無駄だとは分かってはいるものの、私は地面に目を向ける。
部活に所属していないという相馬君だから、こんな所に落ちているなんて先ず有り得ないだろうけど、用心深い性格上、念の為確認はしておこうと思い、若干の挙動不審になりながら左右を見渡してみる。
けど、やはり何処を探してもそんな物は落ちていない。
授業の合間も、こっそりグラウンド脇に生えている草むらの方まで足を運んではみたものの、結果は同じだった。
「どうしたの?何か探し物?」
すると、背後から突然誰かに声を掛けられ、集中していた私は大きく肩を震わせた。
「一杉君?」
振り向くと、いつの間にそこに立っていたのか。爽やかな笑顔を振りまきながら、一杉君がこちらに近寄ってくる。
何やら昨日からよく声を掛けられるなと思いながらも、意表を突かれた私は少し緊張気味になりながら、首を縦に振った。
「ちょっと前にストラップなくしちゃって。この辺に落ちていないかな~……なんて」
私のじゃないけど。
……っと、心の中で付け足し、作り笑いをしながらその場を取り繕う。
とりあえず、ここにある可能性は無さそうなので、私は夏帆達の所へ戻ろうと、捜索を中断した時だった。
「手伝おうか?」
「はっ?」
思いもよらない一杉君の申し出に、私はつい冷めた声で返事をしてしまう。
その作業中、無駄だとは分かってはいるものの、私は地面に目を向ける。
部活に所属していないという相馬君だから、こんな所に落ちているなんて先ず有り得ないだろうけど、用心深い性格上、念の為確認はしておこうと思い、若干の挙動不審になりながら左右を見渡してみる。
けど、やはり何処を探してもそんな物は落ちていない。
授業の合間も、こっそりグラウンド脇に生えている草むらの方まで足を運んではみたものの、結果は同じだった。
「どうしたの?何か探し物?」
すると、背後から突然誰かに声を掛けられ、集中していた私は大きく肩を震わせた。
「一杉君?」
振り向くと、いつの間にそこに立っていたのか。爽やかな笑顔を振りまきながら、一杉君がこちらに近寄ってくる。
何やら昨日からよく声を掛けられるなと思いながらも、意表を突かれた私は少し緊張気味になりながら、首を縦に振った。
「ちょっと前にストラップなくしちゃって。この辺に落ちていないかな~……なんて」
私のじゃないけど。
……っと、心の中で付け足し、作り笑いをしながらその場を取り繕う。
とりあえず、ここにある可能性は無さそうなので、私は夏帆達の所へ戻ろうと、捜索を中断した時だった。
「手伝おうか?」
「はっ?」
思いもよらない一杉君の申し出に、私はつい冷めた声で返事をしてしまう。