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保健室を出てから元居た場所へ戻ってみると、置いてあったキャンパスやら絵の具やらは誰かが片してくれたようで、そこには何もなかった。
時刻はもうすぐ午後7時を回ろうとしているし、外も完全に日が落ちてしまった為、私は今日の制作を諦めて部室へ引き返そうとした時だ。
「朝倉さん」
人気のない所で誰かに呼び止められ、声のした方へ振り返ると、そこには意外な人物が視界に写り、少しだけ目を丸くする。
「一杉君?」
時間的にまだ部活中である筈の彼が何故こんな場所にいるのかが不思議で、私は軽く首を傾げながら彼の方へと向き直した。
「っあ。そう言えば、私を保健室まで運んでくれたの一杉君だったんだね。ありがとう。それと、迷惑かけてごめんなさい」
そして、夏帆に言われた話を思い出した私は、咄嗟に頭を下げる。
「いいよ、全然気にしないで。それよりも、怪我の方は大丈夫?」
それに対し、バスケのユニフォームを着た一杉君は、とても爽やかな笑顔を振りまきながら軽く首を横に振ると、こちらへ歩み寄ってきた。
保健室を出てから元居た場所へ戻ってみると、置いてあったキャンパスやら絵の具やらは誰かが片してくれたようで、そこには何もなかった。
時刻はもうすぐ午後7時を回ろうとしているし、外も完全に日が落ちてしまった為、私は今日の制作を諦めて部室へ引き返そうとした時だ。
「朝倉さん」
人気のない所で誰かに呼び止められ、声のした方へ振り返ると、そこには意外な人物が視界に写り、少しだけ目を丸くする。
「一杉君?」
時間的にまだ部活中である筈の彼が何故こんな場所にいるのかが不思議で、私は軽く首を傾げながら彼の方へと向き直した。
「っあ。そう言えば、私を保健室まで運んでくれたの一杉君だったんだね。ありがとう。それと、迷惑かけてごめんなさい」
そして、夏帆に言われた話を思い出した私は、咄嗟に頭を下げる。
「いいよ、全然気にしないで。それよりも、怪我の方は大丈夫?」
それに対し、バスケのユニフォームを着た一杉君は、とても爽やかな笑顔を振りまきながら軽く首を横に振ると、こちらへ歩み寄ってきた。