結局、相馬君は見つけ出したハピネスベアーのストラップを瀬川さんに渡すことはなかった。 もう、その必要がなくなってしまったし、見せたところでまた彼女を傷付けてしまうから。 だからと言って、瀬川さんの想いが籠った贈り物を捨てるわけにもいかず、無惨にも散ってしまった行き場のない彼女の気持ちは、幼馴染として相馬君がそのまま大切に保管する事になったのだった。