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それから、文化祭は引き続き滞りなく進められていた。
まるであの事件なんてなかったかのように、校内では何も騒がれることなく、むしろその後一杉君が行方をくらましてしまった事の方が大騒ぎとなっていた。

私はあれから文化祭に戻る気も起きず、教師もそれを汲んでくれて、体調不良という理由でそのまま家に帰らせてもらった。

その前に相馬君の事を尋ねてみると、どうやら彼は病院を抜け出し、突然職員室に乱入してきて私が一杉君に襲われそうになっているのを伝えに来たらしい。

かなり緊迫した様子だったので、先ずは彼の言う通りついて行ってみたら、この有様だったとか。

一体いつ頃意識が戻ったのかもそうだし、何故相馬君がこの事を知っていたのか疑問は残るけど、これからは病院で直接彼に聞けばいい事なので、そんなに焦る必要はない。


とりあえず、あの後一杉君がどういう処分になるのか気になるところではあるが、万が一登校していたら嫌なので、私は体調不良であるという話を引き伸ばして、学校を一週間近く休む事にしたのだった。