「あれ?これ美菜が俺にくれたやつじゃん。捨てたはずなのに、なんであんたが持ってんの?」
一瞬ぽかんとしながら発した一杉君の言葉に、私はピタリと動きが止まった。
「……まあ、いっか。そもそも、今日は外に居る奴と一緒に美菜には黙で三人でする予定だったんだよな。最近マンネリ化しててつまんないし、あいつ俺にめちゃくちゃ従順だからその方が面白いって思ったんだけど……」
そして、更なる衝撃的な事実に瞳孔が大きく開く。
「でも、美菜にはもう飽きたし、てかウザイし。あんた犯す方がもっと面白そうだから予定変更ってやつ?……っあ、するのは俺だけだから安心して。あんたの事気に入ってるのは本当だし、あいつには金で我慢してもらうから」
そこまで話すと、硬直する私には構わず、一杉君の手が私の服の中へと侵入してきた。
「や、やだ!止めて!触らないでよっ!」
体を触られた瞬間、全身鳥肌が立ち、私の思考回路が一気に動き始める。
__これで全てが分かった。
相馬君が何故文化祭前にこのハピネスベアーを瀬川さんに渡したがっていたのか。
これは、瀬川さんに対する警告だ。
きっと何らかのタイミングで相馬君はこのハピネスベアーが捨てられる所を目撃して、計画話を耳にした。
それを阻止するべく、事前に瀬川さんにこれを渡して、一杉君から遠ざけようとしたのだ。
だから、あんなに必死で探していた。
幼馴染として瀬川さんを守るためにも。
全ての謎が解明された時、私は物凄い自己嫌悪に陥る。
知らなかったとはいえ、私は相馬君に何て酷い事を言ってしまったのだろう。
昨日はどんな思いで屋上にいたのか。
どれだけ自分の無力さに苦しんでいたのか。
幼馴染であるならば、そんな事情を知ったら何とかしたいと思うのは当然なのに。
私は、本当に浅はかでバカだ。
結局、その目的は私にすり替わってしまったから、結果的には瀬川さんの身は守られたけど……。
「……うう。相馬君……」
こんな危機的状況なのに、私の頭は相馬君の事でいっぱいになり、先程のとは違う意味での涙が溢れ出してきて思わず彼の名を口にする。
まだ相馬君が現れる時間帯じゃないのは分かっているけど、無意識に彼を求めてしまう。
「相馬?誰それ?もしかして、あんたの好きな人ってやつか?」
すると、その名前に反応した一杉君はピタリと手の動きを止めると、聞き捨てならないと言わんばかりに不服そうな表情で私を見下ろす。
「まあ、いっか。そんな奴のこと俺が今この場で忘れさせてやるから」
しかし、再びあの妖しげな笑みを浮かべると、一杉君の顔が私の首元に降りてきて、自分の体で私を押さえ付けてくる。
腕の拘束は解かれたけど、押さえつけられているせいでなかなか身動きが取れず、そうこうしていると一杉君の指が私の体に触れる。
そこから走り出す悪寒と気持ち悪さ。
何とか押し除けたいけど、びくともせず、更に私の首筋に一杉君の唇があたってきて上手く力が入らない。
「……ああ、嫌あっ……!相馬君……相馬君っ!」
襲って来る不快な感覚を振り払おうと、私は必死に彼の名前を呼び続けていた時だった。
一瞬ぽかんとしながら発した一杉君の言葉に、私はピタリと動きが止まった。
「……まあ、いっか。そもそも、今日は外に居る奴と一緒に美菜には黙で三人でする予定だったんだよな。最近マンネリ化しててつまんないし、あいつ俺にめちゃくちゃ従順だからその方が面白いって思ったんだけど……」
そして、更なる衝撃的な事実に瞳孔が大きく開く。
「でも、美菜にはもう飽きたし、てかウザイし。あんた犯す方がもっと面白そうだから予定変更ってやつ?……っあ、するのは俺だけだから安心して。あんたの事気に入ってるのは本当だし、あいつには金で我慢してもらうから」
そこまで話すと、硬直する私には構わず、一杉君の手が私の服の中へと侵入してきた。
「や、やだ!止めて!触らないでよっ!」
体を触られた瞬間、全身鳥肌が立ち、私の思考回路が一気に動き始める。
__これで全てが分かった。
相馬君が何故文化祭前にこのハピネスベアーを瀬川さんに渡したがっていたのか。
これは、瀬川さんに対する警告だ。
きっと何らかのタイミングで相馬君はこのハピネスベアーが捨てられる所を目撃して、計画話を耳にした。
それを阻止するべく、事前に瀬川さんにこれを渡して、一杉君から遠ざけようとしたのだ。
だから、あんなに必死で探していた。
幼馴染として瀬川さんを守るためにも。
全ての謎が解明された時、私は物凄い自己嫌悪に陥る。
知らなかったとはいえ、私は相馬君に何て酷い事を言ってしまったのだろう。
昨日はどんな思いで屋上にいたのか。
どれだけ自分の無力さに苦しんでいたのか。
幼馴染であるならば、そんな事情を知ったら何とかしたいと思うのは当然なのに。
私は、本当に浅はかでバカだ。
結局、その目的は私にすり替わってしまったから、結果的には瀬川さんの身は守られたけど……。
「……うう。相馬君……」
こんな危機的状況なのに、私の頭は相馬君の事でいっぱいになり、先程のとは違う意味での涙が溢れ出してきて思わず彼の名を口にする。
まだ相馬君が現れる時間帯じゃないのは分かっているけど、無意識に彼を求めてしまう。
「相馬?誰それ?もしかして、あんたの好きな人ってやつか?」
すると、その名前に反応した一杉君はピタリと手の動きを止めると、聞き捨てならないと言わんばかりに不服そうな表情で私を見下ろす。
「まあ、いっか。そんな奴のこと俺が今この場で忘れさせてやるから」
しかし、再びあの妖しげな笑みを浮かべると、一杉君の顔が私の首元に降りてきて、自分の体で私を押さえ付けてくる。
腕の拘束は解かれたけど、押さえつけられているせいでなかなか身動きが取れず、そうこうしていると一杉君の指が私の体に触れる。
そこから走り出す悪寒と気持ち悪さ。
何とか押し除けたいけど、びくともせず、更に私の首筋に一杉君の唇があたってきて上手く力が入らない。
「……ああ、嫌あっ……!相馬君……相馬君っ!」
襲って来る不快な感覚を振り払おうと、私は必死に彼の名前を呼び続けていた時だった。