※※※
「あっ、朝倉さんこっち」
丁度四時を指した頃、私は待ち合わせ場所まで到着すると、待ち構えてたように一杉君は私の姿を見ると嬉しそうにこちらに手を振ってきた。
「一杉君抜け出して本当に大丈夫なの?なんか、客引き役として凄い活躍してたよ」
私は先程見た光景を思い出しながら、不安気に尋ねると、一杉君の表情が急に影かかる。
「いや、もう流石に疲れた。それに人も大分落ち着いてきたし。だから暫く休憩貰ったから安心して」
そう言って一杉君は少しやつれたような笑みを浮かべると、私の方へと徐に近付いてきた。
「それよりも、ちょっと来て欲しい所があって」
すると、突然私の腕を優しく掴んでくると、そのまま倉庫の方へと連れて行かれ、私は急な展開に思考回路がついていかない。
「え?い、一杉君?ど、どうしたの?」
腕を引っ張られている事に不覚にも鼓動が早くなってしまうが、彼の不可解な行動に終始混乱していると、程なくして私達は倉庫の扉前まで立ち止まった。
その時、倉庫の扉が開いた次の瞬間、私は一杉君に思いっきり背中を押されたのだ。
「きゃっ!」
不意の出来事に私は身体のバランスが崩れ、そのまま倉庫の奥へと倒れ込んでしまう。
それからあろうことか。
一杉君はそのまま倉庫の扉を閉めて内鍵に手をかけた。
一つの小窓しかない薄暗い静かな空間の中、鍵を閉める音が不気味に響き、私は訳が分からずその場に座り込んだまま彼を見上げる。
すると、そこには今まで見た事のない一杉君の顔があった。
「……うわあ、ウケる。マジでこんな簡単に引っかかるんだ」
そう独り言のようにポツリと呟くと、一杉君は怪しい笑みを浮かべながら蔑むような目で私を見下ろしてきた。
「い、一杉君?な、何でこんな事を?」
その表情に、私は段々と恐怖を感じてきて身体が小刻みに震えてくる。
「何でかって?それは今から朝倉さんを襲うから」
そんな私を嘲笑うかのように、一杉君は鼻で笑うと、その表情のままこちらの方へと一歩踏み出す。
「前からあんたとしてみたいって思ってたんだよ。朝倉さんってさ全然俺に媚びないじゃん?それがなんか新鮮でさあ。顔もそこそこタイプだし、そんなあんたを無理矢理犯したらどうなるんだろう……て、ずっと気になってて」
淡々と話す一杉君のあまりにも衝撃的な内容に、私は言葉を失いその場で固まってしまった。
……この人は今何を言ってるのだろう。
ていうか、これは本当に一杉君なの?
今までの穏やかな雰囲気とはまるで違っていて、目の前にいる人はただの非情な犯罪者にしか見えない。
私はもはや立ち上がる力も出ないくらいに、恐怖が身体中を支配し、自然と涙が零れ落ちてくる。
「……や、やだ。一杉君。……じ、冗談でしょ?」
まるで獲物を捉えるような妖しい光を帯びた眼光を見る限り、それが冗談ではないことは予想出来る。
けど、この状況を受け入れたくなくて、私は出来る限りの抵抗を見せた。
しかし、そんな抵抗をねじ伏せるかのように、一杉君は突然私の両手首を掴み床に押し倒してきた。
「いやっ!」
押さえつけられている力の強さに敵うはずもなく、私は身動きがとれずに震えたまま一杉君を見上げる。
「その表情マジで堪んないわ。めっちゃ興奮してくる」
そう言って舌舐めずりをしながら終始不敵な笑みを浮かべる一杉君の姿は、もう変質者の何者でもない。
「やめてっ!離してっ!」
私は何とか誰かに気付いてもらいたくて、抵抗しながら力の限り叫ぶ。
「無駄だよ。こんな所今じゃ人なんて特に来ないし。一応見張りを付けたから、誰かがこっちに気付くなんて不可能だよ」
そんな一杉君の言動に私は絶望感を覚えるも、最後まで諦めたくなくて、掴まれた腕を振り解こうと必死にもがく。
すると、その反動で、ポケットに入っていた例のハピネスベアーが床にころりと転がり落ちた。
「あっ、朝倉さんこっち」
丁度四時を指した頃、私は待ち合わせ場所まで到着すると、待ち構えてたように一杉君は私の姿を見ると嬉しそうにこちらに手を振ってきた。
「一杉君抜け出して本当に大丈夫なの?なんか、客引き役として凄い活躍してたよ」
私は先程見た光景を思い出しながら、不安気に尋ねると、一杉君の表情が急に影かかる。
「いや、もう流石に疲れた。それに人も大分落ち着いてきたし。だから暫く休憩貰ったから安心して」
そう言って一杉君は少しやつれたような笑みを浮かべると、私の方へと徐に近付いてきた。
「それよりも、ちょっと来て欲しい所があって」
すると、突然私の腕を優しく掴んでくると、そのまま倉庫の方へと連れて行かれ、私は急な展開に思考回路がついていかない。
「え?い、一杉君?ど、どうしたの?」
腕を引っ張られている事に不覚にも鼓動が早くなってしまうが、彼の不可解な行動に終始混乱していると、程なくして私達は倉庫の扉前まで立ち止まった。
その時、倉庫の扉が開いた次の瞬間、私は一杉君に思いっきり背中を押されたのだ。
「きゃっ!」
不意の出来事に私は身体のバランスが崩れ、そのまま倉庫の奥へと倒れ込んでしまう。
それからあろうことか。
一杉君はそのまま倉庫の扉を閉めて内鍵に手をかけた。
一つの小窓しかない薄暗い静かな空間の中、鍵を閉める音が不気味に響き、私は訳が分からずその場に座り込んだまま彼を見上げる。
すると、そこには今まで見た事のない一杉君の顔があった。
「……うわあ、ウケる。マジでこんな簡単に引っかかるんだ」
そう独り言のようにポツリと呟くと、一杉君は怪しい笑みを浮かべながら蔑むような目で私を見下ろしてきた。
「い、一杉君?な、何でこんな事を?」
その表情に、私は段々と恐怖を感じてきて身体が小刻みに震えてくる。
「何でかって?それは今から朝倉さんを襲うから」
そんな私を嘲笑うかのように、一杉君は鼻で笑うと、その表情のままこちらの方へと一歩踏み出す。
「前からあんたとしてみたいって思ってたんだよ。朝倉さんってさ全然俺に媚びないじゃん?それがなんか新鮮でさあ。顔もそこそこタイプだし、そんなあんたを無理矢理犯したらどうなるんだろう……て、ずっと気になってて」
淡々と話す一杉君のあまりにも衝撃的な内容に、私は言葉を失いその場で固まってしまった。
……この人は今何を言ってるのだろう。
ていうか、これは本当に一杉君なの?
今までの穏やかな雰囲気とはまるで違っていて、目の前にいる人はただの非情な犯罪者にしか見えない。
私はもはや立ち上がる力も出ないくらいに、恐怖が身体中を支配し、自然と涙が零れ落ちてくる。
「……や、やだ。一杉君。……じ、冗談でしょ?」
まるで獲物を捉えるような妖しい光を帯びた眼光を見る限り、それが冗談ではないことは予想出来る。
けど、この状況を受け入れたくなくて、私は出来る限りの抵抗を見せた。
しかし、そんな抵抗をねじ伏せるかのように、一杉君は突然私の両手首を掴み床に押し倒してきた。
「いやっ!」
押さえつけられている力の強さに敵うはずもなく、私は身動きがとれずに震えたまま一杉君を見上げる。
「その表情マジで堪んないわ。めっちゃ興奮してくる」
そう言って舌舐めずりをしながら終始不敵な笑みを浮かべる一杉君の姿は、もう変質者の何者でもない。
「やめてっ!離してっ!」
私は何とか誰かに気付いてもらいたくて、抵抗しながら力の限り叫ぶ。
「無駄だよ。こんな所今じゃ人なんて特に来ないし。一応見張りを付けたから、誰かがこっちに気付くなんて不可能だよ」
そんな一杉君の言動に私は絶望感を覚えるも、最後まで諦めたくなくて、掴まれた腕を振り解こうと必死にもがく。
すると、その反動で、ポケットに入っていた例のハピネスベアーが床にころりと転がり落ちた。