どうしよう。

これじゃあ、今日中に渡すなんて絶対に無理だ。

……ていうか、私じゃもう無理かもしれない。


相馬君には自分が駄目なら私にと託してきたけど、それも不可能な話になってきて、どうすればいいのか分からない。


「……あ。もうこんな時間」

再び路頭に迷ってしまった状態の中、ふと中庭の時計に目を向けると時刻はもうすぐ四時を回ろうとしていた。

なんだかんだであっという間に一杉君との約束の時間がきてしまい、私は何だか複雑な心境に思わず深い溜息をはく。

瀬川さんのあんな顔を見た後に、これから一杉君と二人で会うなんて……。

彼のことは何とも思わないのに、この押し潰されそうな罪悪感は一体なんなんだろう……。

けど、このまま逃げる訳にもいかず、私は気が進まないまま重い足取りで、例の倉庫前まで歩を進めて行ったのだった。