裏山に行くのは何年ぶりだろう。子供の頃はさすがにあまりに遅くなる前に帰ったけれど、今は夜遅くまで外にいても咎める人はいない。より真っ暗な世界で星を見られる。
星の灯りだけを頼りに俺たちは裏山を登る。紛れもなく新鮮な冒険だ。木々を抜けて頂上に出ると一面に広い星空が広がっていた。
頂上の急斜面側には安全のため手すりのような柵がある。俺たちはいつもそこに腰かけていた。俺たちの定位置に腰かけて、流れ星の写真を撮った。
「こーちゃんとずっと一緒にいられますように」
スイが流れ星にお願いをし始めた。流れ星への願いはもう叶わないものを願う悲痛な声ではない。ようやく手に入った幸せへの感謝とささやかな祈りだ。
「こーちゃんとずっと一緒にいられますように」
「お前は本当に俺が好きだなー。お前はかわいいなー」
思えば小さい頃から流れ星を見るたびにそんな会話をしていた。
「変わらないな。スイは」
「僕はこーちゃんといられたらそれで十分だから。こーちゃんは僕の友達で憧れで命の恩人なんだよ」
命の恩人。俺は何もしていないのに。傷ついたスイに何もできなかったのに。
「こーちゃんもしかして覚えてない?」
「何を?」
「転校前にここに来て、ちょうど今みたいに柵に座ってたらさ、僕がここから落ちそうになったじゃん?その時に助けてくれたこと」
星の灯りだけを頼りに俺たちは裏山を登る。紛れもなく新鮮な冒険だ。木々を抜けて頂上に出ると一面に広い星空が広がっていた。
頂上の急斜面側には安全のため手すりのような柵がある。俺たちはいつもそこに腰かけていた。俺たちの定位置に腰かけて、流れ星の写真を撮った。
「こーちゃんとずっと一緒にいられますように」
スイが流れ星にお願いをし始めた。流れ星への願いはもう叶わないものを願う悲痛な声ではない。ようやく手に入った幸せへの感謝とささやかな祈りだ。
「こーちゃんとずっと一緒にいられますように」
「お前は本当に俺が好きだなー。お前はかわいいなー」
思えば小さい頃から流れ星を見るたびにそんな会話をしていた。
「変わらないな。スイは」
「僕はこーちゃんといられたらそれで十分だから。こーちゃんは僕の友達で憧れで命の恩人なんだよ」
命の恩人。俺は何もしていないのに。傷ついたスイに何もできなかったのに。
「こーちゃんもしかして覚えてない?」
「何を?」
「転校前にここに来て、ちょうど今みたいに柵に座ってたらさ、僕がここから落ちそうになったじゃん?その時に助けてくれたこと」