「おい、今日お見合いが入ってる、お前が選ばれたんだ。会うんだぞ。」

 胸がズキズキする。


「嫌よ、こんな私と会って何がいいのよ。」

 私は一生涯1人でいい。

 私は1人で虫と向き合うのだ。

 孤独じゃない。

「何を言う。もう相手は来ているんだぞ?!」

 相手が来てるから何だ。

 私の人生は私の自由だ。

「勝手にしてくださって構わないわ!どうでもいいもの!」

 ズキ、ズキ、と痣が疼く。

 ズキン…

「もう15になるんだ。そろそろ変わったらどうだ?!」
「っ!うるさい!私庭に行くわ!来なくていいから!」
「こら、蝶花(ちょうか)!」

 父は私をどうにかしてでも結婚させたいと思っている。

 でも、私の顔は醜い。

 後悔なんてしてないけど、これを好む人なんていないのはわかってる。

「ふふふ、やはり可愛らしい方だ。」
「申し訳ありません、殿下。」
「やめくださいよ。僕はもう王室を離脱したです。……少し探してきても?」
「は、はぁ。」