未明の頃に……

「蝶…花……僕……後悔は…ないです……今だけは…母親に感謝してます……男で…よかったって……でも…もっと……貴女と……いたかった……色んなことを……考えてたんです……それも……時間みたいですね……」

 今だけ、今だけでいいから、見たい……

 彼を彼の姿を……

 私は魔法を発動した。

 五感を補う魔法は高度かつ危険だが、別に構わない。

「あ、あぁ……」
「…ふふ…見えます、か…?」

 艶と光沢のある白髪と、煌めく赤い瞳が焼き付く。

 そうだ、白髪は王族の印。

「僕は……もう…ほとんど……」
「っ……」

 そっと目を隠した。

「おやすみなさい……咲人…」
「……おや、すみな、さい……蝶花………」