未明の頃に……

 血まみれの手が頬に伸びる。

 しかし、それが私に触れることはなかった。

「最期くらい……触れたかった……こんな血まみれの手じゃ……綺麗な顔を汚してしまう……」
「最期なんて言わないで!私の傍にいて…!私の顔を触ってよ……ペンダントだって…まだ返してないわ…!」
「蝶花姫……それは…持っててください…」

 そう言うと伸びた手が私を引き寄せ、唇と唇が重なった。

 まだ脈がある、ドクドクと温かさを感じる。

 離れると、彼の肩にもたれかかった。

 血が服に染みていく