咲人と暮らし初めて半年が経とうとしていた。

 正式な婚約を済ませ、あとは式の準備のみ。

 そんなシアワセな日の中だった。

<ドカーン!>
「キャ!」
「!姫!ご無事ですか?!」

 大きな音と共に屋敷が激しく揺れた。

 地震…じゃない。

 草木の焦げる匂い、薄ら感じる炎の温度と揺らめき。

 これは、攻撃だ。

「避難しましょう。捕まって…!」

 彼も敵に気づいたのか、咄嗟に私を姫抱きし走り出した。

 眷属たちの無事が気になったが、早くも合流した。

「姫!大丈夫ですか?!」
「私はなんともないわ。それより、クオンは?」
「偵察に行った。」

 クオンが1番得意としているものだ。

 これなら安心してもいいだろう。

 ムウの案内で私たちは屋敷の地下へ避難した。

 ひんやりする地下倉庫。

 外では大砲や銃の音が絶え間なく聞こえてきた。

 強ばった体を咲人に寄せる。

「大丈夫ですよ。蝶花姫。」
「え、えぇ…そうよね。」

 きっと大丈夫、すぐ終わる、と何度も思っては飲み込んだ。