「随分顔が赤いですが、大丈夫ですか?」
「恥ずかしい…////確かにそんなこともありましたね…」
「ふふ…でも貴女がああ言ってくれたから今ここに僕がいるんです。少しずつですがニンゲンになれてる気がします。」
「それは…良かった…けど、やっぱり恥ずかしいわ…!」

 熱があるのかと言ってしまいそうになるほど赤くなったかと思うと、次はみるみる血の気が引いていった。

「だ、大丈夫ですか?」
「……じゃあ私の顔を知ってるのね…?」

 私はバレてないと思って接してきた。

 でも、彼は既に知っていた。

 私の顔がもっと綺麗だったことを。

 今の顔が毒に犯されてしまったということを…

「なんで…」
「??」
「なんで、私なんですか?なんで他の方じゃないんですか?貴方も…私が公爵令嬢だからって言うんですか?!」

 勢いよく立ち上がった。

 硬い顔をいっぱい動かして、嫌な顔をした。

 怖い…折角仲良くなれたと思ったのに、怖いのだ。

 自然とポロリ、涙がこぼれた。