「貴女は僕が嫌いですか?」
「好きでも嫌いでもないわ。......ただ...」
「??」
「咲人様は甘くないわ。それは...好ましくてよ...///」
好ましい...変に胸が痛んだ。
でも、嫌じゃない痛みだ。
なんでだろうか、あの情景が蘇ってくるようだ。
『父様と兄様は咲人のこと、ずっと大好きだからなぁ。』
『いつでも帰ってきてくれな。兄様、咲人がいないと、もう寂しくて...』
あの言葉はホントなのかと、何度も反芻しては、頭を抱えた。
その時は笑って誤魔化したけれど、内心怖くて。
息苦しくて堪らない。
でもこの痛みは、あれとは違う。
じゃあ何故この痛みを知っているのだろう…?