私の右手を取り頬に置いた。
少し骨ばった顔つきで、荒れのひとつも知らない肌に感動してしまった。
瞳は少し切れ長で、鼻が高く、唇は薄いが整った形をしている。
あまりに綺麗な顔立ちに驚く。
胸がズキズキ、と痛んだ。
「で、殿下…」
「もう終わりですか?殿下だなんて他人行儀な。咲人って呼んでください、蝶花姫。」
「咲人、様…」
ふわっと暖かい空気が漂う。嬉しがっているようだ。
「今日はここまでにしましょう。また明日、お会いしましょう。」
コクッと頷くと、彼は部屋をあとにした。
ひとつため息をつくと左の横髪を耳にかける。
毒に侵され黒ずみ花型に変形し硬くなってしまった皮膚。
左目は毒にも皮膚にも潰され見なくなり、右目も同時に見えなくなっていった。
こんな私のどこが好き?