今は痛みが引いているようだ。

 噂では醜い姫だと、虫好きな恐ろしい姫だと、聞いていたが本当にただの噂に過ぎないようだ。
 白く長く伸びる絹糸のような髪、透き通るような艶かしい肌はどうも理性を擽る。

 左顔を隠すように伸びた髪のみ鮮やかな紫色をしていた。

 避けると黒ずみ血色の悪い硬い肌があった。

 痛みの原因のようだな。

 派手な尻尾を引き摺っていたようだ。


「う、ううっ…わ、私…」
「姫?体調はどうですか…?」
「え、えぇ…?っ!で、で、殿下?!何故、うっ!」
「まだ動いてはいけません。茶を持ってくるよ。姫は寝ていてください。」