力なく身を預けられた。

 身体が熱い、痛みに耐えていたか。汗も搔いている。

「部屋に連れていこう。」
「姫に何すんだ!」
「何者よ!」
「!!!虫が…話した…!」

 姫抱きしたまま硬直してしまった。

 そんな話聞いたことがない。

 だが、ここは魔法使いの家系の家。

 無くはない話だが、なんとも信じ難い。

「僕は彼女に婚約を申した者だ。彼女には何もしない、部屋に寝かせるだけだ。貴様らこそ何者だ」
「俺たちか?俺たちはな、姫の化虫だ。ボディガード、眷属って言えばいいか?」
「姫を守るのが私たちの役目なの。」

 姫に作られた彼女の眷属たち、ということか。

 それなら話せる辻褄が合う。

「そうか、なら安心だな。僕も彼女を傷つけることはしたくない。そんなに警戒して欲しくない。」
「…様子見だ。」
「お気遣い感謝する。」