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明日はいよいよ出発という日の夕方。

「ねえ多分さ、地球出たらもう好きなもの食べれないから、今のうちに食べとこ?何食べたい?人生最後の好きなものが食べれる時だよ。」

ちょっと冗談めかしてリカが言った。
冗談になんないんだけどねー…。

「えー。なんだろ。もうご飯全部好き。」

「さすがに私が作れるの全部作ったらとんでもないことになるねぇ。」

「じゃあ…あれで。」

「まじかぁ〜!」

「何その反応!なんでもいいんじゃないの!?」

「いやあれ丸一日かかるから今から作れないんだよ〜。」

「えっ…。」

「なーんてね!絶対朝日そう言うと思ってあらかじめ下準備しておきました〜!!今から作るね!」

「もう、なんなのよリカぁ〜」

「白黒どっちがいい?」

「選べるってことはどっちも用意してあるってことだから半々で!」

「はいはーい♪」

リカの得意料理、私の大好物であるシチューパイ。
誕生日やクリスマス、お祝いの時に必ず作ってくれるシチューパイは絶品。

白黒というのはホワイトシチューかビーフシチューかという意味。
基本交互に出てくるけど今日は最後だから。


このシチューパイがリカが作った最後のご飯で、リカと食べた最後のご飯だった。