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ゆめを、みていた。
月に何回か、小さい頃から見る夢。
四角い白い部屋。
目の前のテレビは電源が抜かれていてリモコンを押してもつかない。
私はベットに寝ていて、どうやら入院してるようだ。
隣に座っている高校生くらいの男の子。1歳頃にはお兄ちゃんだったけど今ではもう同じくらいだ。
顔はよくわからない。かっこいい気もするけどそんなにはっきり見えないし覚えていられない。
『絶対待ってるからっ!成功させるからっ!』
男の子は私の手を握りしめて力強く言う。目に涙を浮かべて、でも懸命に泣かないようにしている。そんな表情をしている。
男の子の隣ではおじいさんが立っていて、肩に手を添えている。
このおじさんもやっぱり知らない人だ。
なんでだろう。おかしいなぁ。
私は小さい時からずっとそう思っていた。
だって私はずっと元気だもん。
入院なんてしたことないから前あった事の再現でもない。
病室の夢というのは別に不自然でないにしても。だって私のお母さんが病弱だから、よく病院に行くもの。
でも私の親戚はお母さんと、お母さんのお姉ちゃんしかいないからあのおじいさんは私のおじいちゃんじゃない。似てる人とも会ったことない。
どうして?なんで?
私はなんでこんな夢を見るんだろう。
ずっとずっと見ているんだろう。
大して面白い夢でもないのに。
でも私はその夢を見ると特別感を感じた。
胸に暖かさを感じた。
そしてちょっぴり、泣きたくなった。