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「ひよ。なんか、元気ない?」
私が元気のないことに気が付いて、
屈んで、私に視線を合わせるパパ。
「ううん。なんでも、ないの、
ただ、パパ大好きだなぁって、思っただけ」
気づいた時には、
想いを伝えられない相手で。
今は、『光くん』なんて呼べないし。
もう、
昔の〝好き〟って想いも伝えられないし。
〝パパ〟呼び捨てだけど........................
昔とは違う、今なりの。
今なら〝娘〟として言える
──────大好きって言葉を伝えた。
すると、パパは..............................
「なぁ、ひよ。
今日は、遠回りして帰ろうか」
「うんっ!」
ほんの少しだけ、
パパを〝独り占め〟する時間をくれた。
だって、今の私は、
──────パパが大好きな〝娘〟だから。
fin.