『ひよ!しっかりしろ!』
そう、呼んで手を握ってくれていた、
──────光くんの記憶が蘇った。
そのまま、数日間。
〝高熱〟は下がらなかったけど。
その間に蘇ってきた、
〝前世〟のさまざまな記憶。
光くんとの思い出。
友達.....................との思い出。
その時からだ。
今の私、永森ひよらの幼なじみが父親。
友達の、旧姓、春田聖菜が、母親だって分かったのは............
本当は〝好き〟って伝えようか?って。
何度も何度も考えたけど。
もう、伝えることの出来ない想い。
だって、私には今の、光くんの、
──────幸せを壊すことは出来ないから。