すると大ちゃんは........................
「......駆け引きなんてくだらねぇ」
もはや、口ぐせになっている言葉を溢した。
「いくよ、大ちゃん!じゃんけん、ポン!」
私の掛け声で始まったじゃんけん。
最初は、グーで初めて。
次に、パーとパーで揃った。
次で決着!と思ったけど、
まさかのチョキとチョキで揃う奇跡。
まるで、決着がつかないように、
──────操作されてるようだった。
あいこが何回も続いて、
どれぐらい経ったか分からないころ。
私がグーで、大ちゃんがチョキになった。
「はい。俺の負けね。アイス買って来る」
そう言って、私の頭に、
ポンッと手を置くと部屋を出て行った。
でも、まさか、
それが〝最後〟に見た、
大ちゃんになるなんて思いもしなかった.........