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7月中旬に差し掛かった頃、私達の通う安納高校は期末テストの日程が出ていた。
「夏休み前だからって気を抜くなよぉ」
テスト範囲が書かれたプリントを配りながら男性教師が全員に声をかけていく。
その範囲の広さに一瞬めまいを覚えた。
入学してから習ったところ、ほぼすべてがテスト範囲に含まれている。
「これ、ちょっと鬼畜じゃない?」
隣の席の舞子がこっそり耳打ちしてくるので私は大きく頷いた。
さすがに全部を覚え直すことは難しいから、テストに出そうなところを予測して勉強するほうが良さそうだ。
(なんか、元気ないね?)
他の部活がテスト期間前から休みに入っても風の声部は続けていた。
(もうすぐ期末テストなんだよね。憂鬱)
(そっか。もうすぐ夏休みなんだね)
司の言葉に一瞬心臓がドクンッと跳ねる。
初休みに入れば今よりも司に会う時間を増やすことができる。
でも、今はそれよりもテストのことだ。
ここで赤点を取れば夏休みは補修で潰れてしまうことになるから、司と会うこともできなくなってしまう。
(勉強は苦手?)
7月中旬に差し掛かった頃、私達の通う安納高校は期末テストの日程が出ていた。
「夏休み前だからって気を抜くなよぉ」
テスト範囲が書かれたプリントを配りながら男性教師が全員に声をかけていく。
その範囲の広さに一瞬めまいを覚えた。
入学してから習ったところ、ほぼすべてがテスト範囲に含まれている。
「これ、ちょっと鬼畜じゃない?」
隣の席の舞子がこっそり耳打ちしてくるので私は大きく頷いた。
さすがに全部を覚え直すことは難しいから、テストに出そうなところを予測して勉強するほうが良さそうだ。
(なんか、元気ないね?)
他の部活がテスト期間前から休みに入っても風の声部は続けていた。
(もうすぐ期末テストなんだよね。憂鬱)
(そっか。もうすぐ夏休みなんだね)
司の言葉に一瞬心臓がドクンッと跳ねる。
初休みに入れば今よりも司に会う時間を増やすことができる。
でも、今はそれよりもテストのことだ。
ここで赤点を取れば夏休みは補修で潰れてしまうことになるから、司と会うこともできなくなってしまう。
(勉強は苦手?)