「美保、最近肌ツヤよくない?」
そう聞いてきたのは舞子だった。
昼休憩のご飯を終えて、のんびりと本を広げていたときのことだった。
本のタイトルは『日本経済』。
小説じゃないし、全く読んだことのないジャンルの本だったけれど、司にオススメされたので読んでいるところだ。
それまではファンタジーや恋愛小説をオススメしてくれることが多かったのに、昨日は『たまには全く違う本を読むのもいいかと思って』と、これを手渡された。
書いていることの半分も理解できないけれど、司に会うために一生懸命読み進めている。
「肌ツヤ?」
私は難解な本から視線を上げて舞子を見た。
「うん。だって、ほら」
私の頬に指先をはわせるものだからくすぐったくて仕方ない。
「いつもよりツヤツヤ」
「別になにもしてないけどなぁ」
自分で自分の頬に触れてみてもよくわからない。
基礎化粧品を変えたわけでもないし、ファンデーションも同じものを使っている。
「心当たりがないとしたら、恋でもしてるの?」
何気なくポロッと言われた言葉に一瞬硬直してしまう。
「おやおやぁ?」
そう聞いてきたのは舞子だった。
昼休憩のご飯を終えて、のんびりと本を広げていたときのことだった。
本のタイトルは『日本経済』。
小説じゃないし、全く読んだことのないジャンルの本だったけれど、司にオススメされたので読んでいるところだ。
それまではファンタジーや恋愛小説をオススメしてくれることが多かったのに、昨日は『たまには全く違う本を読むのもいいかと思って』と、これを手渡された。
書いていることの半分も理解できないけれど、司に会うために一生懸命読み進めている。
「肌ツヤ?」
私は難解な本から視線を上げて舞子を見た。
「うん。だって、ほら」
私の頬に指先をはわせるものだからくすぐったくて仕方ない。
「いつもよりツヤツヤ」
「別になにもしてないけどなぁ」
自分で自分の頬に触れてみてもよくわからない。
基礎化粧品を変えたわけでもないし、ファンデーションも同じものを使っている。
「心当たりがないとしたら、恋でもしてるの?」
何気なくポロッと言われた言葉に一瞬硬直してしまう。
「おやおやぁ?」