☆☆☆
私が司のために選んだ本はファンタジーだった。
とても有名な作品で、映画やマンガにもなっている。
「ごめんね、こんな本で」
司の部屋でカバンからおずおずと文庫本を取り出して手渡す。
司ならとっくに読んでしまっているかもしれないと思っていたその小説は、奇跡的にもまだ読んでいないものだったらしい。
「これ、ずっと気になってたんだ! 文庫化したら叔母さんに買ってきてもらおうと思ってたんだけど、そっか、いつの間にか文庫化してたんだね」
どうやら文庫化した情報を知らなかったらしい。
「先月、文庫で発売されたんだよ」
元々ハードカバーで発売されていたファンタジー小説は、文庫になると開くのが困難なほど分厚い本になっている。
気をつけて読まないと、ページの継ぎ目が破れてしまうかもしれない。
「これは超大作だな」
司は目を輝かせて文庫本の最後のページを見つめている。
そこには作者のプロフィールや、ファンレターの送り先などが記載されている。
「そのページ、確認するんだね?」
「うん。作者がいつデビューして、この文庫がいつ発売されたのか。なんとなくだけど見ちゃうな」
私が司のために選んだ本はファンタジーだった。
とても有名な作品で、映画やマンガにもなっている。
「ごめんね、こんな本で」
司の部屋でカバンからおずおずと文庫本を取り出して手渡す。
司ならとっくに読んでしまっているかもしれないと思っていたその小説は、奇跡的にもまだ読んでいないものだったらしい。
「これ、ずっと気になってたんだ! 文庫化したら叔母さんに買ってきてもらおうと思ってたんだけど、そっか、いつの間にか文庫化してたんだね」
どうやら文庫化した情報を知らなかったらしい。
「先月、文庫で発売されたんだよ」
元々ハードカバーで発売されていたファンタジー小説は、文庫になると開くのが困難なほど分厚い本になっている。
気をつけて読まないと、ページの継ぎ目が破れてしまうかもしれない。
「これは超大作だな」
司は目を輝かせて文庫本の最後のページを見つめている。
そこには作者のプロフィールや、ファンレターの送り先などが記載されている。
「そのページ、確認するんだね?」
「うん。作者がいつデビューして、この文庫がいつ発売されたのか。なんとなくだけど見ちゃうな」