「なんで!? ホラー小説を借りてきたはずなのに!」


無意識のううちに別の棚に移動して、恋愛小説ばかり3冊借りてきてしまったことに今更気がついた。


「へぇ? 無意識のうちにねぇ?」


舞子がなにか言いたそうに笑いかけてくる。
私はすぐにカバンの中に本をしまい込んだ。


「た、たまにはこんな本もいいかなって思っただけ!」


せっかく図書室へ行って気持ちを落ち着かせてきたのに、結局逆効果になってしまったのだった。