真っ直ぐに見つめられてそう言われると、嫌でも顔が熱くなる。
耳まで燃えるように熱くなって、うつむいた。


「司ってそういうこと平気で言うよね」


叔母さんも少女のようなことを口にする人だ。
そういうのが平気なように育ったんだろう。


「だって、本当にそう思ったからだよ。だから大丈夫。美保は悪いことはなにもしてないんだから、罪悪感を抱く必要はないんだよ」


司はそう言うと右手を伸ばしてきた。
なんだろうと思っていると、その手は当然のように私の頭に乗せられて、優しく撫でられた。

初めて感じる司の体温。
病的に冷たいと勝手に思い込んでいたけれど、その手のひらは熱いくらいだった。

体は細いけれど、指先は男らしくしっかりとしていることに驚いた。


「今日はよく頑張ったね」


司の声にうつむいたまま頷く。
恥ずかしくて、鼓動が早くて、顔を上げることができなかったのだった。