「今日はなにかあった? 元気ないみたいだけど」

「うん……」


私はついさっき告白を断ってきたことを司に伝えた。


「告白されたのに断るなんて、何様って感じだよね」


そう呟いて苦笑いを浮かべる。
いつの間には私は自己嫌悪に陥って、胸の中に黒くでドロドロとした感情を抱いている。


「この前も言ったけれど、好きでもないのに付き合うほうが何様だと思うよ」

「でもさ、私なんてとくに可愛くもないし、勉強もできないし、スタイルがいいわけでもないし」

「ストップストップ!」


どんどん出てくるマイナスな言葉に司が慌ててストップをかける。


「そういうのって誰かに言われたの?」

「言われたことはないけど、でもだいたいわかるじゃん。自分のことなんだから」


こんなになんの取り柄もない自分を好きになってくれる人なんて、今後現れないかもしれない。
私は自ら自分の幸せを手放したのかもしれない。

告白を断ってから、ずっとそう思っていた。


「美保は自分のこと全然わかってないとおもうよ」


司の声が鋭く尖る。


「美保は可愛いし、十分魅力てきだから」