1度司に会った後は、学校の行き帰りの少しの時間だけでも司と会話するようになっていた。
(おはよう、今日はいい天気だよ。窓の外見た?)
(おはよう。僕は今起きたところ)
(以外と寝坊なんだね)
(あまり、時間は関係ないからね)
そんな他愛もない話。
外に出ることのできない司に変わって今日の天気や、公園に野良猫がいたとか、花が咲いたとか、そんなことを伝える。
その度に司はどんな野良猫だったのか、どんな匂いでどんな香りのする花なのかと詳細をききたがった。
その度に私はちゃんとそれに答えていった。
スマホでやりとりしていれば写真だって簡単に送ることができたけれど、私たちはまだ番号交換をしていない。
その代わりにこうして、日々の出来事を風に乗せて伝えていた。
「最近顔色がよくなったよね」
ある日の朝、舞子が私を見て嬉しそうに言った。
「本当?」
両手で自分の頬を包み込んで聞き返す。
「うん。なんだか血色がよくなった気がする。ちゃんと眠れてるんだ?」
「寝れてる寝れてる」
司に会ったことでつきものが取れたようにグッスリと眠れるようになっていた。
もう、あれこれで悩むことはないはずだ。
(おはよう、今日はいい天気だよ。窓の外見た?)
(おはよう。僕は今起きたところ)
(以外と寝坊なんだね)
(あまり、時間は関係ないからね)
そんな他愛もない話。
外に出ることのできない司に変わって今日の天気や、公園に野良猫がいたとか、花が咲いたとか、そんなことを伝える。
その度に司はどんな野良猫だったのか、どんな匂いでどんな香りのする花なのかと詳細をききたがった。
その度に私はちゃんとそれに答えていった。
スマホでやりとりしていれば写真だって簡単に送ることができたけれど、私たちはまだ番号交換をしていない。
その代わりにこうして、日々の出来事を風に乗せて伝えていた。
「最近顔色がよくなったよね」
ある日の朝、舞子が私を見て嬉しそうに言った。
「本当?」
両手で自分の頬を包み込んで聞き返す。
「うん。なんだか血色がよくなった気がする。ちゃんと眠れてるんだ?」
「寝れてる寝れてる」
司に会ったことでつきものが取れたようにグッスリと眠れるようになっていた。
もう、あれこれで悩むことはないはずだ。