そう考えると、素直に嫌だと感じる。
私はこの不思議な関係を続けたい、大切にしたいと思っている。


「アドバイスありがとうね」

「いや。僕なんて恋愛経験ゼロなのに、偉そうなこと言ってごめん」


頬を赤らめて苦笑いを浮かべている。
その顔はどこからどう見ても美少年で、それでも恋愛経験がないということは、やはり病気のせいでなかなか外出ができていないからなんだろう。

こんな綺麗な子がクラスにいたら、女子生徒たちは絶対にほっておかないはずだ。
それから私たちは他愛のない話を続けていた。

今日始めて合ったはずなのに、沈黙が訪れても気まずい雰囲気になることもない。
司と私はどうやら馬が合うみたいだ。


「じゃあ、そろそろ帰ね」


時間を確認すればすでに学校が終わる時間になっている。
今から帰ればいつもの帰宅時間には家に到着するはずだ。


「わかった。また必ず来てよ?」


帰り際、玄関先まで送ってくれた司が言う。
立ち上がったときの司は私と同じくらいの身長で、やはりとても細かった。


「もちろん」


私は力強く頷いて司に手を振る。
司はいつでも待っていると言ってくれた。