魔女だなんてとんでもない。
ただ人よりも敏感な肌を持っているだけだったんだ。

みんなの誤解を解いたほうがいいかもしれない。
そう思っていたとき、会話に上がってきていた叔母さんが紅茶を持って戻ってきた。

白くておしゃれなティーカップからは湯気が上がっていて、輪切りのレモンが浮かんでいる。


「これ、私が作ったの」


紅茶と一緒に出されたのはクッキーだ。
甘くていい香りがしていて、食欲をそそられる。


「叔母さんの作るクッキーは絶品なんだ。ネットで買えるようにしてるんだけど、1度購入したら必ずリピーターになってくれて、大忙しなんだ」


そんなクッキーならぜひいただきたい。
私は丸いクッキーをひとつつまむと「いただきます」と呟いて口に運ぶ。

サクッとした歯ごたえのあとにほどよい甘みが口いっぱいに広がる。
サクサクとした食感の中にチョコチップが混ざっていて楽しい。


「美味しい!」


お世辞でもなんでもなかった。
本当に美味しい。
これは普通にお店に売っていてもいい味だ。