ゴクリと唾を飲み込んで会釈をした。


「あ、あの私っ……」

「司から聞いているわよ。高橋美保ちゃんでしょう?」


人懐っこく微笑むその人に少しだけ安心する。
悪い人ではなさそうだ。


「は、はいっ。高橋美保です」

「司から、今から女の子が家に来るって聞いてたんだけど、本当にくるとは思わなくって。いつの間にこんなにかわいい子と知り合いになったのかしら」


女性は嬉しそうに口元を手で覆い隠して笑う。
司との馴れ初めはさすがに話すことができなかったけれど、とにかく私は幽霊屋敷へと快く迎え入れられたのだった。