(わかった)


質問したいけれど、本人が聞かれたくないものを無理に聞き出すのはもっと嫌だった。
そうして無神経に質問することで、相手を傷つけてしまうことだってある。


(ところで、昨日考えてたんだけど、どうして僕たちがこうして繋がれるようになったんだと思う?)


その質問は最大級に難しい問題だった。
きっと、私が剛のことが好きかどうか、という課題よりももっともっと、難しい。

だから私はその場で腕組みをして考え込んでしまった。


(学校の友だちはテレパシーだって言ってた)

(テレパシー! なるほど、そういうものに近いかもしれないね)

(でも、現実にそんなものがあると思う?)

(どうだろうね。とってもファンタジーな考え方だと思うけれど、実際にこうして会話できてるし)


そうなのだ。
テレパシーはありえないと思っているけれど、実際に私は彼を会話してしまっている。
それは誰にも覆すことのできない事実だった。


(でも……)


ふと、相手の声のトーンが低くなった気がした。
なにかを考え込んでいるような一瞬の沈黙の後(僕は、ずっと1人だったから誰かと繋がりたいと思ってた)
その言葉に私は以前にも同じことを聞いていたことを思い出した。


(ずっと1人って、どういうこと?)