彼氏は欲しいけれど、こんな風になにも手につかなくなるのでは困ってしまう。


(どうしたの? なにか悩みでもある?)

(え、なんでわかったの?)

(なんだかいつもと違う気がしたから)


相手の表情は見えない。
だから、適当なことを言っているだけかもしれない。

けれどこうして図星を突かれたことで、なんだかこの人に相談してみたいと思ってしまった。
声だけの存在。

本当にいるのかどうかもわからない男の子。
もしかしたら、自分の想像だけで成り立っているのかもしれない人。


(実はクラスメートに告白されたの)

(へぇ! 君はモテるんだね)

(そんなことないよ。人生始めての告白で、どうすればいいかわからないの)


言いながら、また胸の辺りが重たくなってくる。
やっぱり告白というのは私にとって大きな課題になっているみたいだ。

自分1人で解決するには難しすぎる。


(相手のことが嫌い?)