「仲良くしないんじゃなくて、丘の上の一軒家だからなかなか関わりがないだけでしょ」


ボソッと現実的なことを呟くので思わず笑ってしまいそうになり、慌てて我慢する。


「いつか絶対魔女狩りに行ってやる。あの屋敷ごと燃やしてやるんだ」


剛がニヤニヤと粘つくような笑みを浮かべて言う。
本当か嘘か、判断しかねる言葉だ。


「魔女狩りか、俺も賛成!」


孝明はただ面白がって右手を上げて賛成して見せている。
魔女狩りという時代錯誤な言葉が出てきたことで急速にふたりの会話に興味が失われていく。

「ね、今日も熱いねぇ」


私は窓の外の日差しを見つめて、穏やかな昼下がりへと戻っていくのだった。