「え、あの……」


口ごもりながら体温が急上昇していくのを感じる。
まさか剛が自分にそんな感情を抱いているなんて、考えたこともなかった。

剛はクラスの中心的人物で、力も強いし、女子からの人気もまぁまぁある。
自分の顔が真っ赤になっていくのを感じながら私は顔を上げることができなくなっていた。


「すぐじゃなくていいから、考えてほしい」


私の反応に助け舟を出すように剛が言う。


「わ、わかった」


私は早口にそう返事をして、カバンをひっつかむとそのまま逃げるように教室を出てしまったのだった。