「いないよ。それがどうかしたの?」


ぶっきらぼうに質問されたので、ぶっきらぼうに返事をする。
周りの友人たちは高校に入学するや否や好きな人や彼氏がどんどんできていて、みんなから置いていかれているという焦燥感がなくはなかった。

みんなどうやってそんなにポンポンと相手を見つけているんだろうと、とても不思議だ。


「そっか。でも、彼氏が欲しいんだろ?」


そう質問する剛の頬が少し赤らんでいる。
どうしたんだろう?


「それは興味はあるけど、そんな簡単なことじゃないでしょう?」


相手と手をつないだり、キスをしてもいいと思えるくらいお互いに強く惹かれ合うなんて滅多にあることじゃない。


「それって、俺じゃダメか?」

「は……?」


突然の告白に頭の中が真っ白になって言葉が出てこなくなった。
一瞬の間をあけてようやく息を吐き出し、頭が回転しはじめる。

い、今私告白された!?
人生始めての告白は少し遠回りな言い方で、ぶっきらぼうで、そして昔の男って感じの告白だった。