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午後の気だるい授業がようやく終わって、舞子はいつもどおりさっさと教室を出ていってしまった。
そんな舞子の背中を見つめたあと、私はゆっくりと帰る準備を始める。

今日はホームルームが早く終わったから、時間には余裕があった。
あの公園に昨日と同じくらいの時間に到着しようと思ったら、ちょっと時間が早すぎるのだ。

って、またチャレンジしてみようとしてる私も私だけどね。
心の中で突っ込みを入れる。

昨日の夜も、今日の朝も風に乗って声は聞こえてこなかった。
それでも、昨日と同じ条件にいれば聞こえてくるんじゃないかと、期待している。


「美保」


不意に後ろから声をかけられた私は飛び上がらんばかりに驚いた。
教室内にはもう自分しか残っていないと思っていたのだ。
振り向くとそこには剛が立っていて、なぜか申告とも呼べる表情で立っている。


「あぁ、ビックリした。なに？」


あまり接点のない剛が私になんの用事だろう？
そう思って首をかしげる。


「あのさ、美保って今彼氏はいる？」


ぶっきらぼうに質問されて嫌な気持ちがこみ上げてくる。
彼氏が欲しいだのなんだのといった話題を、今日の昼間舞子としたばかりだ。