☆☆☆
「最近はずっと体調が良さそうだね」
私と司は丘をおりて近くの河川敷をゆったりとした足取りで歩いていた。
時折爽やかな秋風が吹き抜けていく。
蝉の声は小さくなり、今ではほとんど聞こえてこない。
散歩をするのにちょうどいい季節になった。
「うん。週末には誰かが訪ねてくるから、寝たきりではいられないからね」
そう答える司の背はいつの間にか私を追い越していた。
出会ったときは確か同じくらいだったのに。
少し見上げないといけない司の顔は顔色がよく、表情も明るい。
地面を踏みしめる両足も力強さを感じられた。
「ごめんね、みんなのこと迷惑になってない?」
「全然! だってみんなは僕の友達だからね」
司は誇らしげに胸を張る。
それがわざとらしく感じられて私は声を上げて笑った。
自然と伸ばされた手をつなぎ、また歩き出す。
その手も少し大きく、男っぽいゴツゴツとした手になってきている。
出会ったときはなにもかもが華奢だった司が、しっかり食事を取ることによって遅い成長を迎えているのがわかる。
「最近はずっと体調が良さそうだね」
私と司は丘をおりて近くの河川敷をゆったりとした足取りで歩いていた。
時折爽やかな秋風が吹き抜けていく。
蝉の声は小さくなり、今ではほとんど聞こえてこない。
散歩をするのにちょうどいい季節になった。
「うん。週末には誰かが訪ねてくるから、寝たきりではいられないからね」
そう答える司の背はいつの間にか私を追い越していた。
出会ったときは確か同じくらいだったのに。
少し見上げないといけない司の顔は顔色がよく、表情も明るい。
地面を踏みしめる両足も力強さを感じられた。
「ごめんね、みんなのこと迷惑になってない?」
「全然! だってみんなは僕の友達だからね」
司は誇らしげに胸を張る。
それがわざとらしく感じられて私は声を上げて笑った。
自然と伸ばされた手をつなぎ、また歩き出す。
その手も少し大きく、男っぽいゴツゴツとした手になってきている。
出会ったときはなにもかもが華奢だった司が、しっかり食事を取ることによって遅い成長を迎えているのがわかる。