病室の中で叔母さんが泣いている。
「美保ちゃん……」
白いハンカチで涙をぬぐい、そっと立ち上がる。
その奥に見えたのはベッドに座っている司の姿だった。
「司!!」
すぐに駆け寄りたいのに足がもつれてうまく行かない。
ほんの少しの距離にとまどい、焦る。
「そんなに焦らなくても、僕はここにいる」
それは聞き間違いもなく司の声だった。
毎日毎日通学路の途中で聞いていた声。
風の声部として活動しているときに聞いていた声。
「司!」
ようやくベッドに近づいてその場に崩れるようにして膝をついた。
目を開けた司が微笑みかけてくる。
「やっと起きたよ」
冗談っぽく言う司に私は泣き笑いの顔になった。
もう、見た目はぐちゃぐちゃだ。
走ってきたせいで汗もかいているし、久しぶりの彼氏との対面だとは思えない有様だ。
それでもいい。
なんでもいい。
「美保ちゃん……」
白いハンカチで涙をぬぐい、そっと立ち上がる。
その奥に見えたのはベッドに座っている司の姿だった。
「司!!」
すぐに駆け寄りたいのに足がもつれてうまく行かない。
ほんの少しの距離にとまどい、焦る。
「そんなに焦らなくても、僕はここにいる」
それは聞き間違いもなく司の声だった。
毎日毎日通学路の途中で聞いていた声。
風の声部として活動しているときに聞いていた声。
「司!」
ようやくベッドに近づいてその場に崩れるようにして膝をついた。
目を開けた司が微笑みかけてくる。
「やっと起きたよ」
冗談っぽく言う司に私は泣き笑いの顔になった。
もう、見た目はぐちゃぐちゃだ。
走ってきたせいで汗もかいているし、久しぶりの彼氏との対面だとは思えない有様だ。
それでもいい。
なんでもいい。