可哀想にも思えるけれど、それでそれなりの給料をもらっているのだから仕方ない。


「そうだね。いつの校長は形だけだからね」


私も同意してクスクスと笑う。
もうずっと、こうしてダラダラ過ごしていたい気分だ。

お腹も満たされてウトウトしてきたときだった。
教室前方のドアが乱暴に開く音がして顔を上げた。

教室に入ってきたのは汗だくの剛と孝明だ。
ふたりとも柔道部の自主練習に言っていたようで、入ってきた途端汗の匂いがムワッと漂ってきた。


「あぁ~! 涼しい!」

「教室最高!」


教室内雰囲気なんて少しも読むことなく、大声を張り上げて地べたにそのまま座り込む。
そこはエアコンの風が直で届く場所で、私にとっては少し寒い場所だ。


「ちょっと、せめて着替えてから入ってきてよね、汗臭い」


剛の幼馴染である西山由奈が顔しかめて鼻をつまんで見せた。
エアコンの風にのってふたりの汗の匂いが教室中に充満するのはいただけないと思ったんだろう。


「え、まじか」