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司は緊急搬送された先の病院で入院することが決まった。
傷口は思ったよりも深かったが、出血量は命に別状のないものだった。

それでも司は目を覚まさない。
肉体的な問題よりも精神的な問題があって眠ったままになってるのではないかと、担当医は説明していた。

私は司の病室の前のベンチに座り込んでうなだれていた。
さっきから涙が止まらなくて、呼吸が苦しい。

いっそこのまま死んでしまえたら楽なのにと、そんな気持ちがよぎっていく。


「そんなに泣かなくても、司は死んだりしないわよ」


隣に座った叔母さんが私に缶ジュースを手渡してくれる。
私はそれを両手で握りしめて、だけどなにも言えなかった。

こんなことになってしまうなんて思っても居なかった。
後悔してもしきれない。

全部全部、私のせいだ!


「今までもこういうことは何度もあったのよ」


その言葉に顔だけ叔母さんへ向ける。
その顔は青ざめて、頬には微かに涙の痕が残っている。

「自分だけ病弱に生まれて、他の子供たちが羨ましくて、それで何度か手首を切ってきゅうy空車で運ばれているの」