何度しゃくりあげても涙は止まらなかった。
私は司の部屋の中で、今日の出来事をどうにかすべて話し終えたところだった。


「そっか。あれは剛くんだったのか」


司も剛のことを思いだしたようで、苦々しい表情を浮かべる。


「ごめんなさいね美保ちゃん。司のせいでこんなことになって」


叔母さんの言葉に私は左右に首を振る。
私にはどうしたって司のせいだなんて思えなかった。

これはすべて剛の逆恨みのせいだと言っても過言じゃないはずだ。


「少し、2人で話しがしたいんだ」


司が叔母さんへ向けて言うと、叔母さんは静かに部屋を出ていった。
昨日破られた窓はすでに修復されていて、部屋の中に沈黙が降りてくる。


「僕たちの運命は呪われているのかもしれないな」


司が静かに呟いた。
そう思いたくなるのも自然な出来事が起こっている。

私も司も、すでに限界だった。


「僕たちが出会ったことで、他の人たちの運命も変わってる。きっと、剛くんも」


私が司に惹かれなければ、今こんなことにはなっていなかった。
けれど現実に、私は司を選んでしまった。


「私達はどうすればいいの? 別れるなんて嫌だよ?」


こんなことになってもまだ離れがたいなんて、我ながらバカだと思う。