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教室内にはエアコンがつけられて程よい室温が保たれている。
今日の室温はついに30度を超えてしまったので、節約重視の学校側もエアコンを推奨したのだ。


「毎日こうならいいのにねぇ」


昼のお弁当タイムを終えて舞子と一緒に窓辺の席でぐたーっと机に突っ伏す。
心地の良い、冷たい風が私たちの髪の毛を揺らす。

いつもは外へ出て駆け回ってサッカー練習をしている男子生徒たちも、今日は教室で涼んでいた。


「室温30度超えなきゃエアコンつけちゃダメなんて、誰が考えたんだろうね」


思わず愚痴が溢れる。
教室がどれだけ熱くても、職員室へ入れば冷房が効いている。

なんてことは日常的なことだった。


「校長先生ではないよね」


舞子がクスクスと笑いながら言う。
私達の通う高校の先生はまだ40台半ばで、誰もやりたがらない役職を押し付けられたようなものだった。

上からも下からも圧迫されているのか、校長に就任してから半年で頭が剥げてしまったという噂があった。
そんな校長先生にはなんの権限もなく、ただまわりから言われるままに動いているようだった。